2026.10.09
千年未来工藝祭2026に出展しました。
最終日は大雨警報発令の為中止されましたが大勢の方にきもの表装を観ていただけました。
2026年8月29日・30日と越前市で開催される予定だった千年未来工藝祭2026。
越前きもの表装も出展しました。残念ながら30日福井県は大雨警報発令が出されたため1日のみの開催となりましたが大勢の方々に越前きもの表装の想いをお伝えすることができました。
本当にたくさんの方と着物の話ができました。またきもの表装に賛同のご意見も賜り日本人の着物愛を改めてを痛感をしました。会場の様子と、お話の内容、そして来場された方からいただいた質問の数々。写真とともに振り返りご報告いたします。豪雨で行けなかったという方にも、当日の空気が少しでも届けば嬉しいです。
千年未来工藝祭とは(越前市/2026年は8月29日開催)

千年未来工藝祭とは、武生は国府という歴史ある町です。武生を中心に古くから越前和紙・打ち刃物・陶芸・越前箪笥と物づくりが盛んに行われたところです。市民の物づくりに対する理解が深く2018年から毎年開かれ越前市はもちろん県内外から200の企業が集まる職人達の祭りです。工芸の作り手と使い手が直接出会うことをテーマにしたクラフトイベントです。最終日福井県は大雨のため29日のみの開催となりました。
越前市とその周辺は、越前和紙、越前打刃物、越前箪笥など、千年単位の歴史を持つ物づくりが今も現役で続いている土地です。この工藝祭には、そうした産地の作り手たちが集まり、作品の販売だけでなく、実演やワークショップを通して仕事の中身そのものを見せる場になっています。
私たちの工房も越前市幸町にあり、表装には越前和紙の鳥の子紙等を使っています。地元の工藝の祭りに、着物×和紙という仕事で参加できることは、毎回とてもありがたい機会だと感じています。
ブースでお見せした──従来の表装と、新たな提案
ブースでは、完成した掛軸や額装だけでなく、あえて「制作途中の状態」を並べて展示しました。仕上がりと途中経過を並べると、表装という仕事の中身が一目で伝わるからです。
展示したのは、着物から仕立てた従来の掛軸と額装等の作品、そして新たな現代の生活の中での表装の提案です。作品の工程では反物に戻した着物から裏打ちを終えた裂地の見本。完成品だけを見ると魔法のようですが、途中を見ていただくと「ああ、こうやってできるのか」と関心をされていました。。

印象的だったのは、完成作品よりも、ほどかれた着物の前で足を止める方が多かったことです。「着物ってほどくと一枚の絹の反物に戻るんですね」という驚きの声を何度もいただきました。着物が反物に戻したところから表装は始まります。その新たに生まれ変わる様子に興味を持っていただけたのは、出展者として何より嬉しいことでした。

後日の工房での実演:一枚の絹が和紙に貼られるまで
後日工房においでいただき裏打ちの工程を見て体験していただきました。裏打ちとは、絹糸で織られた本紙にムラなく万面糊が塗られた和紙を肌裏、増裏と本紙に二枚重ね貼り強さを与える作業です。表装の要となる基本といわれる工程です。
絹の端切れに丈夫な和紙で裏打ちをしますをします。糊を引いた和紙を絹の裏に当て、撫で叩きます。刷毛で中心から外へ、空気を追い出しながら寝かせていく作業です。撫で刷・叩き刷毛を駆使して一枚の平らな光沢が蘇った本紙が仕上がってきます。

実演の間、目の前で見てくださった方から「糊はどのくらいの濃さなんですか」「失敗したらやり直せるんですか」といった、踏み込んだご質問をいただく場面もありました。道具や糊の話になると、皆さんの目の距離がぐっと近くなる。工程を見せるということは、言葉で説明する何倍も伝わるのだと、あらためて感じた時間でした。
来場された方から多かった3つの質問
特に多かったのは「うちの着物でもできますか」「いくらかかりますか」「どのくらいで仕上がりますか」の3つでした。ここであらためてお答えしておきます。
Q. うちにある着物でもできますか。
A. 着物なら、ほとんどのものが作品になります。染物・織物・刺繡物等いずれも大丈夫です。シミや傷みがあっても、状態の良い部分を選んで仕立てられますので、あきらめる前に写真を見せてください。
Q. 費用はいくらかかりますか。
A.大まかに 額装20,000円〜、掛軸30,000円〜、屏風50,000円〜が目安です。仕上がりのサイズや仕様によって変わりますので、写真を拝見して概算をお出ししています。
Q. どのくらいの期間で仕上がりますか。
A. 納期は1ヶ月〜が目安です。板に貼り糊と布が落ち着くのを待つ時間が必要なため、贈り物などお渡し日が決まっている場合は早めのご相談をおすすめします。
会場でお答えした内容は、このサイトのコラムでも順に詳しくご紹介していきます。
「うちにもある」と言われた方へ──次にできること
会場で「実はうちにも着物が眠っていて」とお話しくださった方へ。次の一歩は、その着物を広げて写真を1枚撮ることです。それだけで、見立てとお見積もりができます
一番多く聞いた言葉は、作品への感想よりも「うちにもあるんです」だったかもしれません。お母様の着物、ご自身の振袖、お祖母様の帯。皆さん、タンスの中の一枚を思い浮かべながら、ブースの作品をご覧になっていました。
その一枚をどうするか、今すぐ決める必要はありません。ただ、着物を広げて写真を撮っておくことだけは、おすすめします。写真があれば、どの柄がアートとして映えるか、費用がどのくらいかを具体的にお伝えできます。見立てだけのご相談も、もちろん歓迎です。
会場では立ち話でしたが、ご相談はメールでもLINEでも、じっくり承れます。「会場で見た、途中の状態のあれをもう一度見たい」という方は、ご連絡を頂き工房にお越しいただければ、実物を広げながらご説明します。
次の出展予定は(RENEW 2026/工房とギャラリーの見学
です)
次の出展は、2026年10月9日〜11日に鯖江市・越前市・越前町一帯で開かれるRENEW2026です。また、工房での作業を見ていただいたり、ギャラリーにて数々のアート作品もご覧いただけます。
RENEWは、工房そのものを開放見学体験ができる、この地域ならではのイベントです。
越前きもの表装も参加を予定していますので、工藝祭で時間が足りなかった方は、ぜひ工房まで足を運んでみてください。10月9日から11日の間午前中のみ開放となりますが無料で見学できます。
また年内はイベント外でも随時体験ワークショップを開催しています。2時間で小さな作品を仕立てる内容で、体験料1H1500円です。(ご自分の着物をお持ちいただいてのご相談もお受けいたします)
工房は越前市幸町1-13のキロクルSTUDIOにあります。タンスに着物が眠っているという方は、どうぞお気軽にご相談を。会場でお会いできた方も、この記事で初めて知ってくださった方も、工房でお待ちしています。
